少しずつ鎌倉店のお話を : 1

お久しぶりのブログになってしまいました。そろそろ鎌倉に開こうとしている実店舗の喫茶ギャラリーのお話を、少しずつさせていただこうと思います。

今いる場所に自宅と事務所を構えて20年以上。コピーライターという仕事を続けながら、たくさんの出会いに恵まれて、思いもしなかったご近所さんとの出会いにも恵まれて、そこは大好きな場所でした。便利なのに、静かで。大好きなお店も、いっぱいあって。そこにあるのは、まるで「出会っちゃったんだから、しょうがない。」と言いたくなるような縁だったのだと思います。

世界がコロナに覆われはじめた2年前の、ある日のこと。ふと鎌倉に出かけることがありました。鎌倉や逗子や葉山には友人知人仲間たちが暮らしていて、素敵なところだなぁと漠然と思ってはいたのですが、その時に出会ったのが、やがて小さなオンラインストア「アピスとドライブ」の実店舗としての鎌倉店を計画することになる、この場所だったのです。ここも同じように、「出会っちゃったんだから、しょうがない。」と言いたくなるような縁を感じてしまう場所でした。

この「出会っちゃったんだから、しょうがない。」という言葉を、僕は人生の中で多用してきているのかもしれません。出会っちゃったんだから、しょうがない人。出会っちゃったんだから、しょうがない物。出会っちゃったんだから、しょうがない場所。出会っちゃったんだから、しょうがない何か。ただの言い訳のようにも聞こえてくる言葉ですが（笑）でも、その感覚は、自分が信じられるものだと思うのです、たぶん。いま人気の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が始まるずっと前のことでしたが、鎌倉には「谷戸（やと）」と呼ばれている場所があることもよく知らないまま、この場所に出会っちゃったんです。

そう、実店舗の喫茶ギャラリーの開店を準備しているこの場所も鎌倉らしい、山に幾筋もの切り込みを入れたような谷が入り組んでいる「谷戸（やと）」と呼ばれる場所で、山の緑に抱かれるように目の前には竹林が広がっています。ここを訪ねてきてくださる人たちのことをあれこれと想像しながら、この秋を目指して（まずは週末からになりますが）準備を進めています。詳しい場所のお知らせは、また別の機会にさせてくださいね。

店主：後藤国弘