広島と長崎のこと
ある時期、年に一回は広島に仕事で行っていたことがあります。いつも写真家のIさんと取材を終えて、大好きな広島お好み焼きを食べてから、原爆ドームに行きました。僕は50歳近くになるまで原爆ドームや平和記念資料館を訪れたことがなくて、初めて行った時のショックは、それはそれは大きなものでした。そのショックとは、もちろん原子爆弾のリアルに初めて触れたことでしたが、それ以前に自分が小学生や中学生くらいの時に、どうしてここに来られなかったのだろうという後悔のようなものだったのかもしれません。アメリカのオバマ元大統領が広島を訪れた後には、平和記念資料館の中にオバマさんが折られた小さな折り鶴が置かれていました。
食べ物の話で恐縮ですが、僕は広島に行く前から、お好み焼きは麺入りの広島スタイルが好きでした。むかし住んでいた小田急線の梅ヶ丘の駅の近くに美味しい広島お好み焼きのお店があって、よくカウンターの席でビールを飲みながら牡蠣入りを食べていたことを覚えています。広島での楽しみのひとつは間違いなくお好み焼きを食べることでしたし、コロナの時代になる前は吉田拓郎の広島弁の名曲「唇をかみしめて」をカラオケで歌うのも好きでした。上の写真は、ある日の原爆ドーム。まんまるの美しい月が、まんまるの広島お好み焼きに見えてくるようで。まったく平和なヤツです。すみません。
長崎に初めて行ったのは、さらに後で今から3年前のこと。島原への出張を終えてから仕事仲間と別行動で長崎に行き、僕は平和公園を訪れました。ニュースの中で見ていたあの青色の平和祈念像を見上げて、想像していた以上の大きさ(高さは9.7m、重さは30tとのこと。青銅製でした。)に驚きました。ここでも食べ物の話で恐縮なのですが、長崎では皿うどんにウスターソースをかけると聞き、ちゃんぽんと皿うどんのどちらを食べようかと悩んで、結局は両方を食べることに。いやぁ、どちらも美味しかったー。ほんとに平和なヤツです。すみません。
今日は、8月15日。僕の故郷の長野県諏訪市では、例年では地元の人間たちが日本一だと信じて疑わない諏訪湖祭湖上花火大会が開かれる日でもあります。まだまだコロナが落ちつかないため、今年は8月1日〜15日に毎日10分間の分散開催となっていると聞きました。残念なかたちではありますが、さまざまな災禍からの早期復興を願って打ち上げられる花火が、多くの人に届くといいなと願います。
さて、小さなオンラインストア「アピスとドライブ」の実店舗になる鎌倉店は工事が遅れてしまっていますが、10月の開店を目指して準備を進めています。平和じゃなければ、私たちのお店も何も始まらない。平和だからこそ、やりたいことをやってみたいと思える。そんなことを想う今日です。
https://apis-and-drive-shop.com/
店主:後藤国弘