松尾貴史
俳優/エッセイスト/折り紙作家/カレー店・下北沢「般゚若(パンニャ)」店主

 作品一覧 

1960年、神戸市生まれ。大阪芸術大学デザイン学科卒。「週刊朝日似顔絵塾」塾長、日本文藝家協会会員、日本ソムリエ協会名誉ソムリエ。読売演劇大賞優秀男優賞(2019年、2022年)、紀伊國屋演劇賞個人賞(2022年)など受賞。

折り顔について

折り顔とは、1994年に松尾貴史によって名づけられたアートの手法です。日本の生んだ美しい伝承文化である折り紙の手法により、人類すべての数がある「顔」を造形的な特徴や表情、世界観まで含めて表現する現代美術の一つです。

折り顔の手法とは、
1:刃物などによる切り込みや切り取りを行わない。
2:正方形の紙一枚を折ったり開いたり膨らませたりして造形する。
この2点がポイントで、あとは自由です。この僅かな制約は、俳句にも通じる自由さです。使用する紙の材質も、和紙、洋紙、コート紙、新聞紙、不織布、プラスチックのようなものなど、創作者の自由な発想でテクスチャーを選択することができます。素材の弾力によって造形が不安定になることを防ぐ糊づけも自由です。

造形のモティーフとなる顔は、有名人、身近な人物、歴史上の人物、想像上あるいは伝説上の人物、限定されないイメージや表情のみなど、すべてにおいて制約がありません。

顔を折り紙でつくる手法のオリジンは、民間伝承の中で生まれたもので、いつ誰が始めたものかは不明ですが、故・吉澤章氏や故・河合豊彰氏らの巨匠による研究・創作が、国際的に大きく影響を与えています。