『ふかいことをおもしろく』/井上ひさし 著
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「自信はなかったけれど、とにかく書くのが楽しかったのです」――生誕90年、名作を生み続けた作家の数々の言葉は、没後の今も心を打つ。1964年からNHKの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』(共作)の台本を執筆。69年に『日本人のへそ』で演劇界にデビュー。小説『吉里吉里人』で日本SF大賞、読売文学賞(小説部門)も受賞するなど、作家・劇作家として多くの業績を遺し、2010年に永眠された著者。晩年にその人生をふりかえり、自ら語った本書は、まさに「井上ひさし」入門書といえます。シールによる井上ひさしさんのサインと遅筆堂印入りです。
【本書に収録された言葉の数々】
<父が死んだ年齢と同じ三十四歳くらいまでに 父が目指した道を自分も歩いていたいと 小さい頃から思っていました> <情報をどんどん入れて知識になり 知識を集めて知恵を作っていく どんな仕事もきっと同じはず> <頑張れば光は見えてくる どうしても物語性の中に自分を置きたがる それは、子どもの頃から変わっていない> <読んでいる間はゲラゲラ笑って 一日ぐらいホッとするような そういう小説を絶対書きたい> <見る人が目の前にいるのが 一番厳しく、しかし面白い> <笑いとは、人間が作るしかないもの それは、一人ではできない 人と関わって、お互いに共有しないと 意味がないものでもある> <明日命が終わるにしても 今日やることはある> <自分が使いこなせる言葉で ものを考えることが大切> など
【本書の目次】
1:父から受け継いだもの 2:僕の戦争体験 3:物語に魅せられて 4:本とのつき合い方 5:母の波瀾万丈人生 6:児童養護施設の青春 7:人生の時刻表作り 8:挫折して釜石へ 9:国立療養所に勤めて 10:文学との出会い 11:浅草フランス座へ 12:懸賞応募からプロの道へ 13:僕の創作術 14:劇作の喜び 15:笑いとは何か 16:文学が持つ力 17:変化する言葉 18:日本語の新世紀 19:デジタルの時代に
※本書は、NHK BSハイビジョンで2007年9月20日に放送された番組「100年インタビュー/作家・劇作家 井上ひさし」をもとに原稿を作成し、2011年4月にPHP研究所から刊行された作品を文庫化したものです。
喫茶ギャラリー「アピスとドライブ」を開く準備をしている時に、同じ鎌倉・佐助の地に井上ひさしさんが旅立たれるまで住まわれていたお宅があることを知りました。そして奥様の井上ユリさんと仲よくさせていただくことになる(日頃から、本当にお世話になっています)というご縁に恵まれ、当店で井上ひさしさんの作品を販売させていただくことになりました。人の出会いの不思議さを想いつつ、井上ユリさんに感謝いたします。
発行所:PHP研究所
2024年10月15日 第1版第1刷
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