〈布の特徴〉

・自然素材の美しさや野生みを感じてもらえるように、素材の色や質感を生かすことを心がけています。

・織りものの糸はどれも染めずに、素材そのものの色をつかっています。




〈布のつくり方〉

・デザイン画はほとんど描かずに、織り機の上でつかいたい素材を組み合わせてみて、いいバランスを考えます。こういうデザインをつくると決めず、この素材をつかいたいという気持ちを大切に布をつくっています。

・布は経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を垂直に交わらせるというシンプルな構造ですが、そのルールの中で素材や色、織り方の組み合わせで無限の世界が広がっていくので、それを楽しみながらつくっています。

〈素材の特徴〉

・暮らしている土地で栽培・採取した素材、世界各地の魅力的な素材を織り交ぜ布をつくっています。

暮らしている土地のもの…
棉花を畑で育てたり、地域の人が育てたものをいただき、手紡ぎ・手織りしています。白や茶色、緑色などの棉花をつかっています。
棉繰り機で種と繊維を分け、コマのような形のスピンドルという道具で、ぽこぽこと抑揚のある糸づくりをしています。



世界各地のもの…
主に絹はインド、麻はネパールや中国、羊毛はイギリスやニュージーランド、葛はラオスや日本のものをつかっています。特にインドの絹はよくつかいます。
日本の桑を食べさせ養蚕している蚕とは異なり、野生種で森や野原で育つ蚕を収集したり、半養蚕した(ある場所で野放にしながら育てるそうです)蚕の糸です。
日本のきらりとした白い繊維とは異なり、粗野で力強く素朴な雰囲気が気に入っています。白やベージュ、茶色、細いものから太いものまで様々な種類があります。